Infrastructure engineer's blog

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関東圏で働くインフラエンジニアの常日頃

分散スイッチで管理されたESXiホストの削除時のトラブル

分散スイッチ(以降vDSと記載)を利用している場合、全てのvmkernelアダプタをvDS配下に配置して管理を一元化している環境も多いでしょう。

その為、標準スイッチ(以降vSSと記載)はひとつも無いといった構成もありえます。

今回はトラブル発生時に管理用のvmkernelアダプタがvDS配下に紐づいている場合、どうなるかについて確認していきます。

 

利用する環境は、3台のESXiホストがvDS配下にあるクラスタ構成の環境です。

 

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ホストで障害が発生し、応答なし状態となりました。

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障害が復旧するまで、インベントリ上から該当ホストを削除します。

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その後、障害復旧した後にホストを再度インベントリに追加すると、サマリ画面に

エラーが表示される状況となります。

 

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これはvCenter Server上からホストのvDSの情報が削除されているものの、ESXiホスト側ではvDSの情報を保持しており、構成不一致と判断され表示されている状況です。

構成上は管理用のvmkernelアダプタがvDS配下に紐づいている為、アダプタの削除もできません。

 

復旧方法としては、以下のような手順で進めていきます。

1) vmkernelアダプタをvSSに移行

2) vDSにホストを追加

3) vmkernelアダプタをvDSに移行

 

vSS側の操作で、vmkerenelアダプタをvSSに移行します。

 

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その後、vDS側で対象のホストを選択し、物理NICを指定してホストを追加します。

 

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vDSにアップリンクが追加された事を確認します。

 

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次にvmkernelアダプタをvSSからvDSに移行します。

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問題なく管理用のvmkernelアダプタをvDSに戻す事ができました。

 

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結果として、一時退避用のvSSを用意してvmkernelアダプタを移行する事で元の構成に戻すことができました。

vDSを利用している場合、ESXiホストをインベントリから削除すると予期しない問題が発生する可能性があるので、安易に削除しない方が良さそうですね。